日常

帰路電車で約45分
ラッキーにも座ることができた、と言っても30分も乗っているとどこかの席は空くのだけれど早めに座れたことと端っこの席だからうたた寝もしやすい

何駅か乗って最寄り駅まであと30分くらい
向かいのドアが開いて白杖を持った人が駅員さんと入ってきた
もちろん迷うことなくすぐに席を譲った
席まで駅員さんに誘導されて着席された後、合わない目線を上げて「ありがとうございます」とおっしゃった

私はその席に背を向ける方向でドアに立ち気分は英雄
「かっこいいな~自分!」
「誰よりも素早く譲ったんだよ!若い子よりはるかに素早く!!」
「シルバーシートの人たち何してたんだろう」なんてね。

『でもさぁ~、降りる時どうするんだろう??』
『私が一緒に居りて改札まで連れて行く?そこまでする必要ある??』
『あの人が降りるまで、自分がドアとホームの間に立ってドアが閉まらないようにするか??』
『それとも声を出して”誰かこの人連れて行ってください”って言う?
 かっこう悪いなぁ…..』
『知らん顔したって、私には何の義務もないんだからいいよね….』
と、私の中の英雄もそこまでだった。

そしてその人が降りる駅に着いたとき、ドアの前に駅員さんの姿があった
どれだけ安心したことか!!私の中の”不親切悪魔”がスッと消えた
そしてドアが開き入ってくる駅員さんと席を立ったその人が出会うまでの数十センチの距離
その短い距離に何本もの手が差し出されているのを見た

転ばないように、いざというとき支えられるように、誘導できるようにと

醜くない手がこんなにたくさんあったんだとなんでだろう涙が出てきた

英雄でなくてももこんな手があるだけで戦争なんて起こらないのにな、なんてこと考えながら…